記者をやっていると
「記者クラブ」というものに入会することになります。
記者クラブにも種類があって、
都道府県警察、都道府県庁、都道府県庁所在地の市役所など
様々なところに配置されています。
記者クラブにはリリースや投げ込みといったものも届くのですが、
記者をやったことがない人からしたら何のこっちゃですよね。
記者クラブとは何のためにあるものなのか、
記者になったら記者クラブでどんな仕事をすることになるのか、
記者クラブにリリースや投げ込みを届ける方法は何か、
といった疑問を解決していきます。
ニュース番組の工夫にもつながる話です。
ニュース番組の情報収集はどこから?電話や投稿による提供について
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テレビ局の記者はどんなところに取材に行くの?元社員がケース別に紹介
Contents
ニュース番組の工夫|「記者クラブ」とは
記者クラブとは、
テレビ局や新聞の記者が
情報収集と取材を効率よく行うための部屋です。
自治体や警察署の中に設置されているところもあり、
テレビ局や新聞社が希望すれば加盟し、利用することができます。
各施設のあまり目立たないところにあります
部屋の中には各社専用のテーブルが用意されています。
自治体や警察からのリリースや投げ込みの紙が
投函されるBOXや、
プリンターなどが設置されているほかは
まっさらな机です。
ここで記者たちはパソコンを持ち込んで原稿を書いたり、
施設に関する案件であれば直接取材したりして
過ごしています。
ニュース番組の工夫として、仕事の効率化がはかれます。
テレビ局や新聞社によっては
様々なジャンルの取材を任されるところもありますが、
例えば警察担当で、
事件事故や警察によるイベントなどの取材以外には
よほど大きな話題でない限り関わらない、
という業務内容であれば、
記者クラブに直行・直帰するという
記者クラブを軸に仕事をしている記者も多いです。
原稿の添削は本社にいるデスクが行い
内容の確認は電話やメールでできるため、
わざわざ会社に行く必要がないんですね。
お昼ご飯も
スケジュールに合わせて周りの目をはばからず
好きな場所で好きなタイミングで食べられるので、
当時は記者クラブに常駐している記者に憧れていました。
ニュース番組の工夫につながる「リリース・投げ込み」とは
ニュース番組の工夫に関わる話として
先ほども書いた
「リリース」「投げ込み」について説明します。
リリースと投げ込みは似たような意味で、
自治体や警察の広報広聴課や民間の団体から
テレビ局や新聞社宛に書く取材依頼文のことです。
自治体であれば
今後の記者会見の日程や、
主催するイベントの告知・取材依頼など。
警察であれば
その日起きた事件事故の内容や
交通安全キャンペーンなどの警察主体で行う
イベントなどについて記載します。
マスメディアと公務員は
持ちつ持たれつの関係で、
自治体の活動をメディアが広く知らせることで
その都道府県を活性化させるという目的のもとに
お互い仕事をしています。
日々のニュースに取り上げやすいイベントネタを
自治体が考え、
どう伝えたら活動をうまくアピールできるかを
メディアが考えているので、
このリリースの内容がかなり大事になってきます。
民間の企業やイベントの実行委員会から
提出する取材依頼文もあって、
これはメディア向けに直接送る場合もありますが、
都道府県庁の広報広聴課を通じて
メディアに渡ることもあります。
平日の午後4時半までに
(自治体によって異なる場合がありますが)
その日届いたリリース・投げ込みが
各社の机にA4~A3サイズでまとめて配布されると、
記者やアナウンサーが記者室から会社に持ち帰って
取材予定表に入力します。
後日デスクがGOサインを出して
はじめて取材が成立します。
プレスリリースという呼び方もありますが、
よりよい書き方については
こちらに記載しています。
プレスリリースの書き方!元地方テレビ局記者が効果の出やすい取材依頼の記入例を紹介
ニュース番組の工夫|記者クラブの意義・使用ルール
記者クラブは取材活動以外でも
使われています。
例えば、
記者クラブに所属する記者による会議。
記者クラブでは「幹事社」という制度があって、
自治体や警察と直接やり取りして
記者会見のスケジュールを調整するなどの役目があります。
会見の場所、質問内容、撮影時間などについて決めています。
各社で持ち回りとなっていて、
テレビ局と新聞社で各1社ずつ以上が
1カ月の幹事社業務に携わります。
幹事者同士で相談して、
事案ごとに担当を分けるか
半月ずつに分けてすべての業務を担当するかを
決めることもできます。
常駐する人もいるくらいなので
室内はかなり快適です。
エアコンも効いていますし、
場所によっては
湯沸し器とみそ汁やコーヒーのパックもあります。
たまにそこで寝ている記者もいるので
常駐制じゃなかった私からしたら
「これ、住んでるでしょ」と思うくらい
誰かしらの生活感で満ちていましたね。(笑)
他社のゾーンを侵食しないというルールを除いては
比較的自由に使えます。
いずれにせよ、
記者クラブでは
会社にいてはできない取材を
担当者への直接のやり取りで
効率よく行うことができるといったメリットがあると
感じていました。
「記者になった感」を感じられる場所
記者クラブに入ると
電話したり、パソコンで打ち込みをしていたり
という音が聞こえてきて、
プロの現場という感じがします。
一般の人は立ち入れない領域なので、
ぜひ記者になって確かめてみてください。
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