ニュース番組の放送に至るまでに
情報のまとめ方はどのようになっているのか。
テレビ局記者は取材で得た情報を
どのように整理してどのようなまとめ方をしているのか知りたい。
ニュース番組の放送までには
様々な記者が取材にいって原稿を書き、
カメラマンが撮影した映像が編集されています。
中でも記者の情報収集について、
複数の記者が大きなニュースの情報を集めるときに
どのようにまとめているのか、
またそのような状況はどんなときに起きるのかについて
解説していきます。
ニュース番組ができるまでの流れって?元記者が1日の動きを紹介
ニュース番組を作るときの工夫とは?視聴率を意識した構成を解説
事件が起きた時の警察への取材とは?現場で学んだ張り込みや情報収集
テレビ局への情報提供は番組に反映される?電話や投稿の仕方を解説
Contents
複数記者が同じニュースの情報をまとめる場合
複数の記者が1つのニュースに関わるのは、
大きな事件や災害があった時です。
・震度5弱以上の地震
・命にかかわる事件
・遭難や水難事故
このように一刻を争う緊迫した状況では、
いち早く正確な情報を伝えるために
ニュースデスクを中心に
各記者の役割分担が行われます。
警察署に行って状況確認する人、
消防に現状を確認する人、
現地に行って取材する人、
本社で原稿を書く人、
集まった情報を取りまとめる人などなど。
ニュースデスクが中心とはなりますが、
当日の他のニュースも抱えているため、
手が空いている人が自発的にできることを見つけて
「私、消防に電話します!」などと
自然と役割が決まっていくことがほとんどです。
ニュース記者の情報のまとめ方
・全国ニュースで、自分の都道府県にも影響がある場合
・地域の中で命や生活に関わる事件、事故が起きる
というような「大きいニュース」が起きたときに、多くの記者が協力しあいます。
大きなニュースの情報をまとめるとき、
報道部ではこんな形で進めています。
社内のSNSで共有
ニュースが入ってくるルートとしては、
・キー局から第一報が系列局に連絡される(全国規模のニュース)
・警察や消防から通報内容や事件事故の内容が各メディアに連絡される(地方の大きなニュース)
という形です。
情報が入ったら、情報を受け取った人が
記者全員に連絡します。
日直的な連絡担当が記者のシフトに盛り込まれていて、
深夜などはその人に連絡が行くので、その人から連絡、
日中は報道部のフロア全体に分かるように連絡が来るので
電話を取った人かニュースデスクから
取材内容の変更とともに連絡します。
連絡にはSNSアプリを使い、
普段の連絡のほかにシフトの変更、
大きな事件の専用トークルームと分けて連絡を取り合います。
取材中の記者やシフト上休みになっている記者とのやり取りは
基本的にこちらで行っています。
パートごとに原稿の担当を分ける
いろいろな映像を盛り込んで1つのニュースとして
長い尺で放送することもあります。
〇〇市での様子、駅前での街頭インタビュー、知事の会見など
同じ事案で様々な人の意見や様々な場所の様子を伝えたい場合は
それぞれ担当を分けて各記者が取材をします。
取材が長引く場合は取材先から原稿を書いて送信することになります。
パートごとに別の原稿として作り、
それぞれの記者が自分が担当する部分を書いて
アナウンサーが立て続けに読んでいきます。
放送上は分からないかもしれませんが、
実は別の人が書いた原稿が
同じニュースでいくつも連続している
という場合もあるんです。
取材先で追加で撮影できるものを探す
基本的にはニュースデスクが取材内容を決めますが、
記者の判断からニュースにつながることもあります。
例えば、雨が強い日に
移動中の記者が取材先の雨の映像を撮影すると、
「各地の雨」という内容の中に組み込んでもらえることがあります。
ニュースとして、
1か所で雨の映像を撮って
各地のこれからの天気を伝えても成立はしますが、
いろんな地域の映像を観られて
その場所でのインタビューがあったら
地域に密着した良いニュースに仕上がるわけです。
これが現場の記者たちの自発的な行動から成り立っているという事実、
視聴率アップや地域住民からの信頼度アップにつながるという
ここまでボトムアップで若いうちからやりがいを感じる仕事は
どのくらいあるでしょうか。
ニュース番組の情報収集は「団体戦」
ニュース番組というのは
テレビ局の顔といっていいくらい、
局の実力をはかる指標と考えられています。
報道の力があって
バラエティ番組や営業があるわけです。
新入社員は報道部に配属されることが多いです。
いろんな人からの注目を浴びるなかで
伝えたいことを発信してみませんか?
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