月曜日から金曜日、
毎日放送されるニュース番組は
記者やカメラマンが
生放送中の1時間だけ
「ディレクター」や
「スイッチャー」に役名を変えて
作り上げています。
それぞれに大事な役割がありますが、
なかでも元記者の私になじみのあった
ディレクターの仕事について
紹介します。
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Contents
テレビ局のディレクターは3種類
ディレクターと言っても
様々な仕事内容があります。
1日のニュース番組で
最大3人がディレクターを
担当することもあります。
それぞれ見ていきましょう。
ディレクター①「OAD」
番組中で最も重要な
「司令塔」の役割があるのが
OAD=オンエアディレクターです。
原稿を見ながら
テロップを画面に送出したり、
4台あるカメラの
どれで移すかを指示したりと
スピード感のある作業が
求められます。
テレビでよく見る、
画面がたくさん並んだ部屋(=サブ、副調整室)で
設置されたボタンやモニターを使って
テレビ画面に映し出される
映像や文字などをコントロールします。
両隣には
TK(タイムキーパー)と
SW(スイッチャー)が座り、
それぞれに指示を出します。
ときには3人で相談しながら
番組の残り尺にあわせて
ニュースを飛ばしたり
MCのトークでつないでもらったりして、
番組が時間通り終われるように調整もします。
世の中に数ある仕事のなかでも
トップクラスにシビアな業務で、
とてつもない緊張感のなかで
作業することになります。
※「TK」(タイムキーパー)
TKの仕事は
それぞれのニュースのVTRで
ナレーションが必要な部分と
映像内の音を聞かせる部分の
カウントダウンをします。
「あと〇秒でナレーション読みです。」
といった具合に。
そのほか、
番組がCMに入ったタイミングで
全体的に何秒押しているか、
あるいは巻いているかを伝えます。
これにしたがって
OADがニュースを飛ばすか、
MCのトーク部分をのばすかなどを決めていきます。
※「SW」(スイッチャー)
SWは
ニュースのVTRを再生するボタンや
カメラワークの切り替えスイッチを
OADの合図で押すのが主な業務です。
ボタンがたくさんあるので、
指示に忠実に従い
押し間違いのないよう
慎重な仕事が求められます。
ディレクター②「FD」
2つ目は
FD=フロアディレクターです。
FDはニュース番組を放送する
スタジオを取り仕切ります。
OADからの指示をインカムで聞き、
スタジオでMCに口頭か
手でのジェスチャーで伝えます。
地方テレビ局では
記者ではなく
契約社員の女性が務めることがほとんどです。
ただ、3年の契約期間が満了すると
新人を迎え入れての研修が始まるため、
仕事を覚えるまでは
若手記者が担当する場合もあります。
ディレクター③「中継D」
もうひとつは中継ディレクターです。
中継先の現場を統括する役割をもっていて、
簡易版OADといったイメージです。
出演者の名前テロップや情報テロップを
どのタイミングで出して欲しいかを
OADに間接的に指示します。
間接的にという部分ですが、
放送中の本社には
中継DとOADの間をとりもつ
連絡係を任される記者がいて、
この連絡係が中継Dと
電話でやり取りしながら
OADにも指示を出すことで
中継映像をコントロールします。
現場には中継FDもいて、
中継Dからのインカムでの指示を聞き
カメラマンの後ろからリポーターに伝えます。
「ディレクター」に向いている人
ディレクターは
経験を重ねることでできるようになりますが、
向いている人の特徴もあります。
先を読んで行動できる人
生放送はハプニングの連続です。
ニュースに誤りがあれば
すぐにMCから訂正とお詫びのコメントを
出さなければいけません。
また、MCの読み間違いで
放送尺に余裕がなくなることもあります。
そんなときに
どうすれば放送枠の中で収まりきるかを
瞬時に考える力が必要になります。
時間に追われる作業に
慣れているとこの思考法がが簡単になります。
YouTubeの生放送や
インスタライブは、
時間の制限は緩いですが
自分で放送スケジュールを決めれば
生放送の緊張感を体感できます。
「1時間ぴったりで終わるYouTubeライブ」などと題して
練習してみるのもありですね。
顔出ししなくても
ゲーム実況や質問コーナーなど
いくらでもやりようはあると思います。
誰かを出演者として立てるのもいいですね。
慎重派の人
生放送中の作業は
急な判断ですることがほとんどです。
大雑把な人は
気を引き締めて作業しないと
大きなミスにつながってしまいます。
そういった意味では
もともと慎重派な人は
無意識でも丁寧な作業ができるので
有利だと思います。
大雑把な人は
小さなことから丁寧にこなすことを
意識するといいでしょう。
誰が欠けても成り立たない生放送の世界
見ていてハラハラする生放送は
テレビ局側もかなりの緊張感をもってやっています。
その一員に加わりたいと思った人は
ディレクターはできなくても
カメアシ(カメラアシスタント)のバイトもあるので、
間近で見ることによって
間接的に体験するのもおすすめです。
ミスが許されない現場の緊張感を
ぜひ味わってみてください。
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