地方に限った話かもしれませんが、
テレビ局で記者をやっていると
カメラマン兼任で取材に出されることがあります。
その日取材するネタが多く、
カメラマンの割り当てが
間に合わない場合に
このパターンになります。
このため、
1人で取材する場合や
出勤・帰宅時間に事件事故が起きたときに
すぐに撮影ができるよう、
記者やアナウンサーには
デジカメが支給されます。
ホームビデオを撮るような
市場にも出回っているカメラなのですが、
意識せずにニュースを見ていると
気が付かないくらい
画質がいいです。
1台1~2万円くらいでしょうか。
撮影方法は
支給されたタイミングで教わりますが、
どのように撮影したら
プロレベルの映像になるのか
そのコツを伝授していきたいと思います。
取材に限らず、
日常的にビデオカメラをまわす機会がある人も
このコツを参考にしてみてください。
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Contents
記者がデジカメを持って取材するネタ
ニュースデスクは、
その日の取材内容によって
記者ん1人にカメラマンをつけるべきか
優先度を考えています。
・動きがあり、カメラマンの高等技術が必要なもの
・記者自らのリポートを撮影する必要がある場合
・逃してはいけない一瞬の出来事をカメラに収めなければならず、
現場での詳細な情報収集が必要なもの
これらのネタには
かなりの割合でカメラマンが同行し、
カメアシさんや音声さんも同行する場合があります。
逆に、デジカメを持ち記者1人で
取材するのは、
・見た目に変化が少ない会見など
・情報収集と撮影を同時進行で行う必要がないもの
などといった撮影のコツがあまり必要ない取材ネタです。
また、特殊な例として
カメラマンとともにカメラを回すという
パターンもあります。
例えば
・花火大会の取材
(カメラマン:花火を撮影
記者 :花火を見るお客さんを撮影)
・狭いところでの取材
(カメラマンが持つ大きいカメラでは撮影が難しく、
デジカメやGo-Proなどでの撮影が必要な場合)
などです。
より映像のクオリティを上げたいときは
記者が個人的にデジカメを回すことを
カメラマンと打ち合わせをして
決めることもあります。
記者がデジカメ取材で必要な技術
デジカメ取材の場合は
プロのカメラマンほどの技術は
求められませんが、
最低限おさえておくべき
コツはあります。
①「サイズ」の違う映像を撮ること
会見などでは
基本的にカメラを固定しての撮影で
大丈夫です。
というか、
それが最も求められていることなんです。
技術が備わっていないうちに
下手に動きのある映像を
撮ろうとすると、
映像にブレが生じ、
見ている人が酔ってしまいます。
そのため、
まずはじめに考えるべきコツは
撮影する「範囲」です。
会場全体が映る広い画=「ロング」、
撮影対象が画角に収まるように撮った中サイズ=「ミディアム」
被写体にかなり寄った近い画=「アップ」
の3種類を意識して撮影すると
それだけで上級者っぽい編集ができます。
ニュースはだいたい
概要→参加者→経緯という順番で
原稿化され、
それにあわせた映像という風に考えて
映像を編集する人はおおよそ
ロング→ミディアム→アップという順番で
画をつないでいきます。
このときに
どれか1つのサイズの映像が欠けてしまうと
原稿の秒数に対して
映像の秒数が足りないという現象が
起きてしまうことがあります。
それを未然に防ぐため、
様々なサイズの映像を
撮っておくのがコツです。
②パン
「パン」というのは
上から下、左から右などのように
カメラの向きを変えて撮るコツです。
会見の取材で2人が並んで座っている場合、
左の人から右の人に
撮影対象を変えるときや
会社のロゴマークから社員に
目を移すときなどに使います。
「〇〇株式会社の〇〇社長」という説明が
映像でもできるということと
左から右に向きを変える時間があるので、
映像の尺を稼げるということが利点です。
30分程度の短い会見だと
撮影するものがなくなってしまうので
こういったコツも取り入れて
十分な時間撮影できるようにしましょう。
ちなみに
1分のニュースでは
使える映像が10分くらいあれば保ちます。
③撮影した映像を何秒使うかを計算する
デジカメで撮影する場合、
基本的には原稿も自分で書くことになるため、
どんな映像を使うかも自分で決めることができます。
そのため、
何が映った画を
どのくらいの秒数使うかを
事前に計算する必要があります。
1分のニュースでも
会見の映像をまるっと1分使うこともあれば、
企業の会見であれば、
その会社の外観資料映像をはさむこともできます。
(外観資料は大手企業であれば社内にあると思いますが、
新しくできた企業であれば
許可を取って撮影する必要があります)
この場合はだいたい
会見の様子→発言聞かせるorインタビュー→会社外観
という流れになると思いますが、
取材前に書いた原稿から
どんな映像構成にするかを考えておきましょう。
取材で記者が持っていると便利なアイテム集
会見であれば
デジカメひとつあれば
撮影ができますが、
よりよい映像にするためのアイテムがあります。
三脚
これはかなり便利です。
なによりブレが生じなくなるので
見ていて酔いにくい落ち着いた映像を
撮ることができます。
小型ガンマイク
遠距離で撮影しなければいけない場合に
持っていると使えます。
マイクの先端が向いている方向の
音を拾うため、
逆に横からの雑音が
入りにくくなります。
しっかりと撮影対象に
まっすぐ向けて使うのがコツです。
テレビ局によっては
デジカメ用のガンマイクも
支給されているか、
共用のものが用意されている場合もあります。
俺流の装備
私の場合は
テレビ局で持っている
一眼レフカメラや
「NX-CAM」という
片手で持てる軽量のカメラを
持ち出す場合もありました。
普段の撮影では「ENG」という
ニュースのスタジオや
野球の中継などで使われるような
大きいサイズのカメラを使っているため、
一眼レフカメラやNX-CAMは
倉庫に眠っていることが多いです。
デジカメよりはもちろん機能が優れていて、
許可さえとれば使わせてもらえるので
カメラに興味のある人なんかは
こだわってみてもいいかもしれません。
記者が取材でカメラを使いこなせば鬼に金棒
撮影の基本について
分かってもらえたでしょうか。
自分で撮影してみると
カメラマンがいつもどんなことを考えて
撮影に臨んでいるのかが
分かってくるようになります。
よりよい取材のために
撮影のコツをつかめるよう
ぜひ勉強してみてください。
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